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ふたりのおでかけ

クラシックホテルで迎える記念日

2022.07.23

BY M-chang & Y-chang

歴史を感じるクラシックホテルの旅

クラシックホテルとは、日本のホテル黎明期に創業し、
戦前・戦後を通して西洋のホテルのライフスタイルを具現化してきたホテルのこと。

「日本クラシックホテルの会」というものが存在し、
全国には9つのクラシックホテルがあるそうです。

今回ご紹介するのは愛知県の蒲郡市というところにある「蒲郡クラシックホテル」さん。

お付き合い9年目、結婚2周年記念での旅だったのでCくんは私の実家でお留守番してもらい、
久しぶりに、ふたりだけの時間を過ごしてきました。

ホテルの外観や内装はもちろんのこと、
スタッフの方々の心遣いもとても素敵だったので、
そんなクラシックホテルでの宿泊を今回はご紹介しようと思います。

100年以上の歴史を持ち、
数々の文人が愛した
海辺に立つホテルでのあたたかなおもてなし

「蒲郡クラシックホテル」の起源

蒲郡クラシックホテルの前身は、名古屋の織物商が創業した料理旅館「常磐館」。
明治45年、今から110年前に開業したその宿は、革新的な経営手法だったそうです。
一流の小説家には何か月でも無料で滞在してもらう代わりに、小説などの作品中に蒲郡や常磐館を登場させてもらうというタイアップを提案。
志賀直哉、川端康成など日本を代表する数々の文豪がここへ滞在し、次々と小説で取り上げられ、蒲郡は、全国的にも有名な保養地になっていったそうです。

圧倒される外観、うっとりする内観

常磐館はその後、国の施策もあり、第一回国際観光ホテル指定の「蒲郡ホテル」として竣工、開業し、現在は「クラシックホテル」として運営されています。

到着してまず目を見張るのは、その外観。格調高く華麗な城郭風建築のその建物は、三河湾を見下ろす絶景の場所に立ち、圧倒的な存在感。
戦前に建てられ、今もその姿を留めているホテルは全国でも数少ないのだそうです。

坂道を登ると、お城のように立派なホテルが目の前に
手入れの行き届いた庭園。春には「つつじ」が綺麗なんだとか

玄関では、シルクハットを被ったベテランのホテルマンに出迎えられ、館内に入るのも何だかどきどきしました。

*****

ホテルの中に入ると、内装にも調度品にも、クラシカルでアールデコ様式が生きている空間が広がります。
エントランスでチェックインする時間までもが、とても優雅な気分。


2階の部屋まで向かう際のエレベーターの指針盤にも長い歴史を感じました。

エレベーターにも重厚感が

*****

客室には海側と山側があり、私たちは海側の部屋を予約したので、部屋の窓からは竹島が見え、とてもいい眺めでした。(ホテルには特別なロイヤルスイートが一室あり、そこには昭和天皇はじめ皇族の方々が宿泊されてきたそうです)


とても落ち着く雰囲気の部屋で、Yちゃんもとても喜んでくれて一緒に来れてよかったなと思いました。
個人的には、フランス製のアメニティ(シャンプーなど)が柑橘のとってもいい香りだったのも幸せでした。

見た目もかわいいアメニティー

*****

ディナーまでは時間があったので、敷地内を散策したり、2階のバー(アゼリア)で「ハッピークラッシックタイム」を楽しみました。
これは16時から18時まではアルコールメニューが半額になる、というお酒好きな私(M)にはとっても幸せなサービス。隣でYちゃんは、ティータイムを優雅に楽しんでいました(Yちゃん曰くほっぺたが落ちるほどフレンチトーストが美味しかったそうです)。

ハッピークラシックタイムを楽しんだ「アゼリア」

(同性同士の)記念日のおもてなし

いよいよディナーの時間となり、メインダイニングルームへ。
事前に電話で(勇気を出して)結婚記念ということをお伝えしていたこともあってか、一番眺めのよい席へ通して頂きました。

海と竹島が見える席で記念日ディナーのはじまり

海を見ながら、乾杯をしてフレンチのフルコース。私は鮪の生ハムと、メインの牛フィレ肉のカツレツ・マッシュルームソースがとても気に入ってしまいました。

明るい時間から贅沢で幸せな時間をゆっくりと

牛フィレ肉には赤ワインを合わせたのですが、グラスにたっぷり赤ワインを注いで頂き、それもまた幸せでした。

*****

実はYちゃんには内緒で、ホテルの方と事前に相談し、アニバーサリーケーキの用意をお願いしました。
伝統と格式あるホテルで、少し異色な感じだったと思いますが、ホテルの方々はとても自然にケーキをテーブルまで運んできてくださって、お祝いを伝えてくださいながら、ケーキを囲んだ私たち二人をホテルのカメラでも撮影してくださいました。(帰りにホテルの名前が入ったプリントまで頂いて、心配りに感謝しています)

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その夜は早めに眠りにつき、翌朝はアゼリアのテラスで海を見ながら朝の珈琲タイム(6時半~7時半まで無料で珈琲・紅茶が頂けます)を楽しんだあと、朝食会場へ向かいました。

朝、テラスで過ごす静かなひととき
テラスからの眺めも気持ちよかったです

朝食はふたりとも「洋食」を選び、美味しいオムレツとサラダ・パンなどを頂きました。

ホテルの朝食で頂くオムレツって本当に美味しいですよね。朝からまた幸せな気持ちになりました。

*****

こうして一泊二日。記念日のクラッシックホテル滞在が終わりました。

チェックアウト後には、竹島に参拝へ行ったり、ホテルのすぐ近くにある「海辺の文学記念館」という場所で記憶に残る素敵な体験ができたので、そちらを含めて周辺のことはまた追ってお伝えできればと思います。

Yちゃん
ちょっと背伸びして泊まったホテルで、ドキドキしながら伺いましたが、とてもいい思い出になりました。親切にしてくださったホテルの皆様に感謝。
ケーキをこっそり予約してくれたMちゃんにも、大感謝。
すごくいい思い出になったので、記念日ごとに、他のクラシックホテルにも泊まってみたいね、と話しています。
他のカップルの方や、家族でのお祝い事や記念日での利用など、すごーくおすすめしたいなーと思いました。

このホテルは、20年以上前に、学生時代の友人が結婚式をあげた場所でした。
その頃の私は、大切な同性パートナーと「結婚記念の旅」で
ここを再訪するとは考えてもみなかったと思います。

 

当時はまだ周囲へカミングアウトもあまりできておらず、
本当の自分を出せない毎日を過ごしていました。

 

こうして20年以上たった今、
まだまだ日本社会は私たちが願うようには進んでいないのですが、
あの時に比べたら、ずっとずっと生きやすくなったなと、
今回の旅を通じて感じました。

 

様々な心遣いをしてくださった「蒲郡クラシックホテル」のスタッフのみなさまに、
心から御礼を申し上げます。

 

*またこの記事が、大切な人と素敵な時間を過ごす場所を考える時の

ヒントに少しでもなれば嬉しいです。

 

 

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