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わたしたちの体験談

~お母さんにインタビュー~カミングアウトされた親の気持ち【後編】

2022.10.29

BY M-chang & Y-chang

Yちゃん母へのインタビュー

前回は、Yちゃんがお母さんにカミングアウトした日のことやお母さんがその日感じたことなどをお伝えしました。

後編の今回は、お母さん自身が周囲に娘のことを話されたご経験や、カミングアウトをされて悩んでいる保護者の方へのメッセージなどをお聞きした内容をお届けします。

※カミングアウトする、しない、どちらがよいかに正解はないと思いますし、人それぞれの考え方があるかと思います。またカミングアウトされた親の受け止め方も、それぞれだと思います。
ここに書いたことは、ほんの一例にはなりますが、カミングアウトを迷っている方や、悩んでいる方のヒントや力に少しでもなれば嬉しいなと思います。

カミングアウトされた”その後のはなし”

Mちゃん
Yちゃんからカミングアウトされて最初は衝撃だったけど、今まで一人で抱え込み苦しかったという思いに泣けてしまったというお母さん。
その後、徐々にお母さん自身も周りの方に話されたのですね。(Yちゃんの)妹さんに話された時はどんな反応でしたか?
Yちゃん母
(Yちゃんの妹に)話したのは、カミングアウトからだいぶ後のことだったの。そしたら「どうしてそんな大事なことを今まで黙ってきたのか!」ってすごく怒られちゃって。「私たち(妹さんと妹さんのパートナーさん)のことを舐めないで欲しい。」ってね。「色んな人を見てきているし、偏見なんて全くない」って。今ではMちゃんも知っての通り、子どもの頃以上に仲良しな姉妹だよね。
Mちゃん
妹さん、お母さんと並ぶ理解者であり、応援してくれるありがたい存在ですもんね。
私ともとっても仲良くしてくれて嬉しいです。
ご親戚(ご兄妹)に話された時は、どんな反応だったのですか?
Yちゃん母
私の姉に話した時は「あぁ、そうなのね」というすんなりとした反応だったよ。重い感じにならないよう明るく「いま、とっても幸せみたいよ」と伝えたことも、さらっと相手が受け止めやすい雰囲気になったのかもしれないね。Yちゃんに了解を得て、私の親友にも話しているよ。誰にでも言う訳じゃないけど、伝えても大丈夫と思う人を選んで、話した方がいい人には話しているかな。
Mちゃん
そういえば、(お母さんの)東京のお友だちと、我が家に泊まりにきてくださったこともありましたね。とっても賑やかで楽しい宴でした。それと宮崎にいるYちゃんの叔母さん達から私も一緒に結婚のお祝いをして頂いたこともすごく嬉しかったです。直接ご挨拶するのはかなり緊張しましたが汗。
Yちゃん母
そうね、Mちゃんは私の大切な人にもいっぱい会ってもらっているね。
また機会があれば、宮崎にも一緒に行こうね。
Mちゃん
どきどきするけど、ありがとうございます!
ふたりで公正証書をつくった時はYちゃんのお母さんと妹さんからお祝いのお花が届きました

娘への気持ちと、カミングアウトされた保護者の方へのメッセージ

Mちゃん
(そして少し真面目な話になりますが)
これから、子ども(Yちゃん)にはどんな風に生きていって欲しいですか?
Yちゃん母
自分が一番心地いいと思う暮らしをしていって欲しいと願っているよ。今も幸せそうだし、安心。(Yちゃんには)パートナーが大人なMちゃんでよかったと思う。帰省しても本当に楽しそうに話すし、愚痴が一切でないからね(笑)
Mちゃん
実家で愚痴が出てなくて、ホッとしました笑!
最後に、二つ聞かせてください。もし子どもからのカミングアウトで悩んでいる保護者の方がいたら、どんな言葉をかけようと思いますか?
Yちゃん母
それぞれのご家庭があるし、一概には言えなくて難しいけど。あえて言葉にするならば、せめて親は自分の子どものことを認めてあげて欲しいということかな。親が受け入れてあげないと、殻に閉じこもってしまう子どももいるかもしれないし、受け入れることから親子の関係は、はじまるんじゃないかなって。親が「なんで」と思っても、子どものセクシャリティは変えようがないし、それがありのままの姿なんだから。“認める”、もうそれだけなんだよね。簡単なようで難しい、難しいようで、簡単。そうすることで、お互いの距離がもっと縮まるし、お互いにとってそれが一番いいことだって、私は思ってる。
Mちゃん
ありがとうございます。
長くなってしまいましたが、最後の質問です。
娘から「カミングアウトをされてよかった」ですか?
Yちゃん母
本当によかった!って思う。もし聞いていなかったら、色んな違和感を持ち続けることになっていたかもしれないなって。どうして女の人とずっと一緒にいるんだろう、とかね。それに取り繕って生きるって子ども自身がすごく苦しいことだから。(Yちゃんが)自然体で生きられるようになって、本当によかったと思っているよ。
Mちゃん
今日はたくさんのお話をお聞き出来て、本当によかったです。
また九州に遊びに行かせてくださいね。
Yちゃん母
私も色々思い出しちゃった。
またいつでもふたりで帰っておいでね。
Mちゃん
嬉しい、ありがとうございます! うちの母と、Yちゃんもとっても仲良くしてくれているので、私も安心しています(というか二人で、私の悪い癖なんかを話していてドキドキします汗)。
Yちゃん母
そうなんやね笑。よかったー!
またみんなで会えるといいね。
Mちゃん
はい、そんな日を楽しみにしています!
今日はお時間いただき、ありがとうございました。
YちゃんとYちゃんのお母さん

Yちゃんの気持ち

Yちゃん
Mちゃんが母にインタビューすることになり、どんな話になるんだろうと不安でしたが、母の気持ちを知ることができて、嬉しかったです。
母へは私のセクシャリティーを伝えてから、以前よりも、自分のことを素直に話せることができるようになり、仲良くなった気がします。
それまでは不仲と言ってもおかしくなかった妹とも、距離がぐっと近くなり、今では一番何でも話せる相手になりました。
この記事の中に書かれている、母と妹の間であったやりとりについて、私は知らなかったでのすが、どこかで、『この人には分かってもらえるはずがない』と話す前から決めつけたり、諦めたりしてしまいがちだったのですが、もう少し、相手のことを信頼してもいいのかもしれないな、と、私自身が変わるきっかけにもなりました。

カミングアウトに関して悩んでいる人の気持ちが少しでも軽くなる一助になればいいなと思います。

お母さんへのカミングアウトは、Yちゃん自身からも聞いたことがあり、

このサイトでもご紹介していることもあって、

どんな感じだったのかは、娘目線では私も知っていました。

 

でもこうして、親目線でYちゃんのお母さんのお話を聞くことで、

子どもに対する愛情をいっぱい感じることができ、

お話をお聞きした私はとても幸せな気持ちになりました。

 

カミングアウトは人それぞれ。

冒頭にも書いた通り、する、しないに正解はありませんが、

子どもを想う親の気持ちは共通するものがあるのかもしれません。

もしカミングアウトをすることになった方がいれば、

ありのままを話すことで、今まで以上に絆が深まる親子関係になれますように。

 

 

 

※前編をお読みでない方は、下のリンクからぜひ読んでみてくださいね。

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